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環境演出~株式会社ムラヤマ~ | 上海万博2010 中国民企連合館
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上海万博2010 中国民企連合館

2010年上海国際博覧会に中国の民営企業16社の連合がパビリオンを出展。

2010年5月

中国・上海で開催された国際博覧会のパビリオン制作に参画

2010年に中国で開催された上海国際博覧会。この博覧会に中国の民営企業16社が連合してパビリオンを出展することとなり、日本の大手広告代理店のもとで、企画開発の段階から参画し、実施に至りました。

クライアントとなる中国民企連合は、中国の著しい経済成長を象徴する企業群であり、文化的にもとにかく目立つ物、派手な物が好まれる事もあって、日本ではなかなか実現できないような大胆なデザインと演出が提案されました。

また、延べ床面積5,000平米以上の単独パビリオンの計画としては異例のスケジュールで、我々に与えられた時間は、白紙~オープンまで約1年という条件でのスタートとなりました。

出展テーマは「民間企業の創造力と多元文化が都市にもたらす色彩と活力」

出展テーマに基づいて計画された外観デザインは、有機的に波打つような形状で、様々な色に輝く外装材を使用し、夜間には照明でライトアップされ、外壁の照明と大型LEDビジョンの映像とが連動した演出が行われました。

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ウェイティングスペースは外壁から虹色に煌めく壁面が続き、天井には都市にあふれる活力をモチーフにしたアートが吊り下げられています。

プロローグ「太極〜活力の始まり」では民企連合各社からのウェルカムメッセージとともに、中国で世界の根幹を表す“太極”をモチーフにした展示が行われています。躍動的な人型の造形は民企連合各社の名刺を使って製作されています。また“太極”の思想にある“陰陽”を水滴と水面の波紋を発生する装置(超音波発振器)で表現し、映像・照明・音響を駆使して空間全体の演出を行いました。

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プロローグを抜けると民企連合が育った中国の風土を背景に、メインショーへと誘う“活力”の高まりを4つの展示室(シリンダー1〜4)で紹介しています。

シリンダー1は「冬〜旅立ち」。

雪や嵐が待ち受ける困難な状況を表現しています。雪山のシーンではスノーマシンで雪を降らせています。また、砂を使って雪原の造形を表現しました。

シリンダー2は「春〜活力の息吹」。

通路の両側に配置した映像スクリーンには生命の息吹に満ちた架空の未来都市が映し出されます。

シリンダー3は「夏〜太陽と共に」。

空間全体がスクリーンになっていて、豊かな暮らしが育まれる都市の夜景に包まれます。観客がスクリーンに向かって小さなボールを投げると花火が打ち上がったりするインタラクティブな演出が施されました。

シリンダー4は「秋〜都市と自然」。

都市の中の交通や建築物と自然が調和した世界です。ビルや道路やクルマは空間全体に広がったジオラマとなり、万華鏡には美しい花々が映し出され、来場者の拍手や歓声により空間の演出が変化します。この空間の中を移動する自然の声スピーカー2台がフィッシャー社のワイヤー制御技術で円を描きながら飛びまわります。

この4つの展示室を抜けてメインショー「四季〜活力矩陣」へと繋がります。

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メインショーは比類なきエンターテイメント「活力矩陣(かつりょくマトリックス)」

メインショーの「四季〜活力矩陣」は中国の著名な演出家、王(ワン)潮歌と樊(ハン)跌が手がける空間総合エンターテインメント。2人の演出と、世界最高のワイヤーアクション技術“Floating Sphere”とのコラボレーションで1008個の球体が空中を舞い様々な風景を描き出しました。映像と照明、音楽にダンサーのパフォーマンスが加わり、類のない最高のエンターテインメントを展開しました。

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米国FTSI社(現TAIT社)による世界最高のワイヤーアクション制御技術

このメインショーでの1008個の球体を動かす演出を行うにあたり、劇場・テーマパーク・イベント・映画の世界で世界トップクラスのワイヤーアクション制御技術を持っている米国のFTSI社(現TAIT社)へ相談を持ちかけました。そして、メインショーの制御機器の設計製作を米国で行う事となり、中日米の3ヵ国を跨いだプロジェクトとなりました。

演出に使う機構の機械設計・演出プログラミング・製作はラスベガスの工場で実施しました。出荷前の検収はラスベガスの工場内に原寸大で装置を仮組してテストしました。この検収には中国側の発注者メンバーが渡米することが出来なかった為、発注者のいる上海、展示監修者のいる福建省とを結んだリアルタイムインターネットでの多次元中継で検査が行われました。

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中国への搬送の際には税関での足止めもあって館内への搬入が遅れることとなり現場での施工期間が短くなりました。組み立て後も連日に渡りワン・ハン監督との演出プログラムの調整を行いましたが、無事オープン日を迎えることが出来ました。

会期中の保守メンテナンスに対応

開催期間中に展示や演出が正常に稼働するようにするのも私たちの仕事です。開館前のチェック、閉館後のメンテナンス、非常時の対応などの保守メンテナンスを行いました。

プロローグの水盤は来館者が触れて汚れてしまうため、毎日の清掃・水交換を行いました。来館者が水に手を入れて超音波発振器を動かしてしまう事もあり、位置を直す事もありました。

シリンダー1のスノーマシンはケミカル式だったので、毎日天井部まで登り薬剤の残量を確認し、補充していました。ノズルの清掃も必要で、詰まってくると雪が思い通りに降らなくなり、調整が大変でした。シリンダー4では、来館者に装飾に使ったミニカーを持って行かれたり、積み木を剥がされて手摺と壁の間や中央のスクリーンに落とされて、それらを片づけるのが大変でした。

メインショーは、1008個もある球のなかにはワイヤーから外れて落下する事もあり、モーターやワイヤードラムが故障して止まった際にはその復旧にあたりました。

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海外での施工は苦労の連続

海外での業務進行では国内とは違った苦労もあります。

まずは言葉の壁。通訳や日本語が分かるスタッフもいましたが、打ち合わせで使う専門的な用語や微妙なニュアンスを伝えるのに苦労をしました。

各国での施工の慣習も日本と違い、日本の常識が通用しない事もいろいろあります。

作業手順の確認では、いくつかの工程をまとめて伝えても一作業ごとに次の工程の確認を求められる事もありました。事前の工場加工が必要な場合でも現場に材料が届き、現場内で加工作業がはじまる事も。作業後の片付けや掃除も、その為の専門スタッフの手配が必要な場合もあります。

また、施工期間は真冬でとても寒かったのですが、現地の作業員はその寒さに慣れているのか平気なようです。メインショーの設置調整に来た米国人にもかなり寒かったらしく、「暖房を入れてほしい」と何度も依頼がありました。

食事の面でも苦労がありました。朝食、夕食は現場以外で食べるので和食などを選ぶ事も出来ましたが、現場での昼食はお弁当を注文する必要があり、このお弁当の味付けがとても「現地の味」で一部の日本人メンバーは苦労していました。

6カ月の会期を終了して。

2010年5月1日から10月31日まで、6か月間の会期を大きな事故も無く無事終了することが出来ました。この博覧会で、当パビリオンは「民間企業パビリオンベスト8」「ベストパフォーマンス賞受賞」を受賞いたしました。

最後に、国際博覧会とは。

国際博覧会とは、国際博覧会条約(BIE条約)に基づいて2つ以上の国が参加して開催される博覧会のことです。この国際博覧会は、会場の規模や開催期間やテーマなどから主に「登録博覧会」と「認定博覧会」に区分されています。(以前は「一般博」と「特別博」に区分されていました)

「登録博覧会」の開催は通常少なくとも五年の間隔を置くこととされています。21世紀に入ってからは2005年日本国際博覧会(愛知万博)、2010年の上海国際博覧会(上海万博)、2015年のミラノ国際博覧会、そして2020年に開催予定のドバイ国際博覧会がこれにあたります。

また、明確なテーマを掲げ、規模や開催期間を限定した国際博覧会は「認定博覧会」に区分されます。同一年に登録・認定それぞれの国際博覧会を開催することが出来ません。

このような特殊な造形や演出を伴う海外での博覧会におけるパビリオン制作は、私たちの強みのひとつとなっています。

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